民主党「病院一辺倒」の落とし穴

長妻厚労相が「療養病床削減」を凍結。日医を敵視するあまり、大局観を失っていないか。

2010年1月号 LIFE

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75歳以上の高齢者が急増し、20年後には人口の約20%、2200万人に達するのが我が国の少子高齢社会である。世帯主の構成をみると65歳以上が40%となり、そのうち単身者だけで37%にも及ぶ。当然ながら、死亡者に占める高齢者の比率も高まる。75歳以上の死亡者は5年後には97万人で全体の77%を占め、その10年先には86%まで上がる。医療・福祉政策では、こうした変化による構造転換が迫られている。施策対象者を若者・中年層から高齢者に、大きくシフトしなければならない。また「高齢者が病気になれば病院へ。自宅復帰が難しければそのまま入院を続け、最期の看取りも病院で」という今までの常識では、膨大な高齢者数に財政負担が追いつかない。「生活の場」ではない病院で長期間暮らすのは非人道的でもあり、病院依存でない医療の新プランが切望されている。

訪問診療の流れが止まる?

現在、日本人の死亡場所は病院が8割以上、 ………

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