昨今の「落語ブーム」は何かが足りない。「捕まえたら離さないぞ」と思える噺家が果たして何人いるだろうか。
2010年1月号 LIFE
「星の王子様」こと三遊亭円楽が、本当の星になって、その「お別れ会」が、11月21日、東京會舘で開かれた。テレビの寄席番組「笑点」での人気もさることながら、新聞・雑誌等で政治・経済、社会問題にまで論評を繰り広げた故人にふさわしく、落語関係に留まらない各界からの約350人が別れを惜しんだ。昭和から平成の落語界にあって、この円楽と、このほど文化勲章に輝いた上方落語の桂米朝、最近、高座活動から遠ざかった立川談志ほど落語界に「改革の火」を燃やし続けた芸人はいない。落語や寄席の将来を憂え、改革の必要性を訴え、実践してきた。紛れもない落語界の“風雲児”であり、“革命児”であった。その一角を失った今、落語界の先行きが心配でならない。
三人の共通項は、常に、落語はどうしたら面白くなるのか、ファンに愛される噺家とは、伝統芸能としての落語の将来と在りようとは、を真剣に ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。