2010年4月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
新日本石油が中核となり、国際石油開発帝石(INPEX)と日揮の3社連合で進めていたイラクのナシリア油田の権益獲得交渉が、事実上破談になった。このプロジェクトの仕切り役は石油業界のドン、新日石の渡文明会長が務めてきた。交渉開始から3年。不甲斐ない結末に経済産業省幹部は「渡さんは自らのプレゼンスを勘違いしていた」と突き放す。昨年来、イラクでは国会を中心に排外主義が高まり、マリキ首相などからも「外資排除」と受け取れる発言が続いていた。新日石は「連邦議会選挙を意識した国内向けの恣意的発言。交渉を打ち切れば、イラク側が国際的信用を失う」と強気だったが、さすがに企業連合の複数の幹部が「EPC交渉は時間切れになった」と認め出した。EPCとはプラントの設計から調達、建設までを一括して請け負う契約形態。つまりナシリア油田は振り出しに戻り、再び国際入札にかけられる可能 ………
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