「銀座の地上げ屋」服部礼次郎に致命傷

セイコーHDが異様な不動産交換を実行。グループ総帥と「女帝」の常軌を逸した不動産漁りの暗部。

2010年5月号 BUSINESS

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世界的な名門企業の奥の院で何が起きているのか――。セイコーホールディングス(セイコーHD)は3月31日、実に不可解な不動産交換スキームを実行した。相手となったのは創業一族の資産管理会社「三光起業」。セイコーHD保有の4物件と、三光起業が保有する3物件を互いに交換するというものだ。取引額はセイコーHDの株主資本の8割超に相当する262億円に上る。交換物件の中身を見ると、異様さがさらに浮かび上がる。セイコーHDが差し出したのは「グッチ銀座ビル」など銀座界隈の商業ビルが中心。他方、三光起業から提供されたうち、価額でほとんどを占めるのは東京・白金に広がる1万6800平方メートルの宅地。そこに建つのは「服部ハウス」と呼ばれる創業者・服部金太郎翁の旧邸宅だ。セイコーHDは何らキャッシュフローを生んでいない不稼働資産をなぜ抱え込むのか。「どうしても銀座を手放したくなかったよう ………

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