2010年6月号 BUSINESS
開業から4年目を迎えたばかりのイオン銀行が、早くも絶望の淵に立たされている。コンビニにATMを並べるだけで高収益を上げるセブン銀行を追うかたちで、イオンが銀行業に参入したのは2007年10月のこと。「『イオンに銀行をやってほしい』という顧客からの要望が多かった」(イオン幹部)ことを御旗に、世界でも珍しい小売業者による「リテール・フルバンキング」を展開した。ところが、ここまでの業績は目も当てられない有り様だ。1期目の08年3月期に122億円の赤字を出すと、軌道に乗るはずだった09年3月期も201億円の大赤字を計上。黒字転換するはずの10年3月期も、第3四半期までに106億円の赤字を出す始末。銀行免許交付の要件である3期目黒字どころか、黒字化の見通しすら立てられないでいる。苦境の最大の理由は、集めた預金を運用できずにいることだ。開業後、顧客基盤を確立するため「年利1.1%」 ………
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