国内では宝の持ち腐れと英研究所に譲渡。母国の歴史を売る情けない日本考古学協会。
2010年7月号 LIFE
日本考古学協会は、会員数4200人を誇る一大学術団体である。1948年、81人の有志によって発足したころから会員たちが書きつづってきた論文や同人誌、発掘調査報告書など計6万冊余の図書を有する。60余年間のまとまった資料としては類のない貴重なものだ。ところが、その図書すべてをイギリスの研究所に寄贈することになった。「なんで、イギリス?」と首を傾げる人も少なくないだろう。自ら築き上げた「歴史」を外国に譲り渡す。語るに落ちた考古学界の凋落ぶりと言うべきか。5月22日、東京・梅丘の国士舘大学世田谷キャンパスで考古学協会の第76回総会が開かれた。そこで図書寄贈についての報告がされると、これに反発した何人もの会員が立ち上がり、口々に執行部に非難を浴びせる一幕があった。理事会はこうした事態に備えて想定問答集まで用意していた。その甲斐あってか大きな混乱を生じることもなく ………
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