「総量規制」で約700万人の新規融資がストップ。5人に一人が自己破産か債務整理に陥る。
2010年7月号 LIFE
「おかげさまで助かりました。これは皆さんで食べてください」専業主婦のAさん(74歳)は、昔なじみの貸金業者から1カ月前に5万円を借り、月々の返済のために饅頭を持参して来店した。「おばあちゃん、いつもありがとね」。店員は親しげに声をかける。カウンターでは別の初老の男性が店員と談笑している。が、この店は違法な貸金業者だ。もとは登録業者であったが、規制が厳しくなったため廃業し、以前の顧客データをもとに無登録で営業している。金利も年54%と出資法違反だが、月々の返済金額は正規業者と数千円しか違わない。何より借入時に難しい審査がなく、身の上相談にも気軽に応じてくれるから、警察に被害届けを出す客はいない。保険外交員のBさん(38歳)は、冠婚葬祭など急な出費に困った。昨年まで大手のサラ金に50万円の借入枠があったが、年収が少ないため突然20万円に減らされた。新規の ………
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