2010年7月号 連載 [メディアの急所]
朝日新聞社は10年3月期連結決算で営業損益が40億円の赤字(前期は34億円の黒字)に転落した。一方、産業経済新聞社が発表した10年3月期連結決算は営業利益が09年3月期の7億円から22億円に3倍増。産経のコスト削減策が奏功したかに見えるが、PL(損益計算書)だけを見て安心するのは素人投資家と新聞記者ぐらいだ。実は増益決算の2週間前、産経は重要な開示を行っていた。5月14日付「第2回無担保社債発行のお知らせ」である。それによると産経は普通社債総額50億円を年1.51%で発行。償還期限は4年で主幹事をUBS証券が務めた。何より重要なのは使途が「平成23年9月末までに返済期日が到来する借入金の返済資金及び社債の償還資金に充当する予定」と記された点だ。06年に発行した総額150億円の第1回社債は印刷機器への設備投資が目的だったが、今回は資金繰りが目的であることが憶測を呼んだ。金融関係者 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。