ウラン濃縮の提携先に、ロシアを見切ってアメリカを選んだのか。どうもそんな単純な構図とは思えない。
2010年7月号 BUSINESS [原子力フロントエンド]
世界の原子力関係者は、そのニュースにドキッとしたろう。5月25日、原子力発電プラントメーカー、ウェスチングハウス(WEC)を傘下に置く東芝が、ウラン濃縮の世界大手4社の一角を占める米ユーゼック(USEC)に出資すると発表した。米重機大手バブコック&ウィルコックス(B&W)とともに、東芝は1億ドルずつUSECに共同出資する契約を結んだ。当初は優先株だが、2016年末には普通株に転換される見通しで、現在の株価で計算すると出資比率は15%程度。東芝は原子力発電の燃料に必要な濃縮ウランの供給を受ける権利を得るという。翌日の日本経済新聞朝刊は「東芝は原子力発電の設備から燃料までを一貫供給できる体制の構築を進めており、ユーゼックへの出資で供給体制が一通りそろう」とプレスリリース丸写しだったが、これでは関係者に戦慄が走った理由がわからない。東芝は昨年5月、ロシアのテクスナブ ………
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