「雑居特養」推進、上田知事に幻滅

虐待に等しい相部屋介護施設の建設に邁進。「4人部屋の良さ」を説く不見識な埼玉県知事。

2010年8月号 LIFE

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高齢者介護の中心施設、特別養護老人ホーム(特養)の「改悪」が進行している。ひとつの部屋で見ず知らずの4人が一緒に何年も暮らす生活を想像できるだろうか。同じベッドが部屋に並び、仕切るのは薄いカーテンだけ。ベッドを含めた1人分の広さはわずか6畳分。平均でも4年過ごす終(つい)の住処(すみか)なのに、時に、隣のベッドわきに置かれたポータブルトイレを使う音が聞こえ、臭いまで伝わってくる。こんな相部屋暮らしは御免だ、というのが常識的判断だろう。ところが、「地方分権」の美名でこうした常識外の建物が相次いで建てられようとしている。先陣を切るのは埼玉県。同県では4人の相部屋(雑居部屋と表現した方がいいだろう)を持つ特養を積極的に建設し続けるという。厚生労働省は介護保険の開始3年後の2003年に「これから作る特養は相部屋でなく個室ユニット型を標準とする」と宣言。創 ………

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