中央アジアの民族衝突は、ロシアの不介入で鎮火した。でも、フェルガナ盆地のウズベク難民は次の火種に。
2010年8月号 GLOBAL
中央アジアを舞台とした大国の覇権争い「グレートゲーム」は不発に終わった。05年の「チューリップ革命」で政権を奪ったクルマンベク・バキエフ大統領が、腐敗政治への反発で失脚したこの4月の政変、続いて6月に南部で発生した民族衝突に、女性の野党指導者ローザ・オトゥンバエヴァ率いる暫定政権が介入を要請しても、ロシアが動かなかったからだ。キルギスは名目上、ロシアと同盟関係にあるが、旧ソ連諸国のなかではもっとも独立性の強い路線をとってきており、ワシントンとの関係も親密である。首都ビシケク郊外のマナスとカントにはそれぞれ空軍基地があり、キルギス政府は03年のアフガニスタン侵攻以来、米軍の補給路としてマナス基地の使用を許可、一方でマナスよりはるかに小規模だが、カント基地はロシア軍が空軍施設として使用している。このマナス基地の存在はロシア政府には目障りで、バキエ ………
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