2010年8月号 連載 [眠れぬ夜のバラード ~うつ病時代の処方箋~]
「地球の上に朝がくりゃ、その裏側は夜だろう」というフレーズで始まる替え歌があった。これは昭和15年ごろのボードビリアン、川田義雄という人が作った歌の冒頭の文句である。そのようなことを知らなくても、このフレーズだけは少し年を食ったものなら誰でも知っていよう。この当たり前すぎる文言を、一度聞いたら二度と忘れられないのは、自然の深遠なる真理をついているからではなかろうか。昼と夜は一方だけでは成立せず、互いに補完しあう事象である。すなわち、陰陽のコンセプトであり、自然はリズムをもって形を成すといっているのである。古来、これは東洋では自明のことであった。しかしながら、昨今は自分がいる時間が本当に夜なのか昼なのか怪しくなってきた。深夜の時間帯、救急でもないのに病院に受診依頼をしてくる電話は、ますます増加している。24時間のコンビニが商売になっているのも ………
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