2010年9月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
選択と集中を徹底し、総合電機の中でいち早く業績を回復させた東芝。しかし、リチウムイオン電池を、早い段階で切り捨てたのは大失敗だった。92年、東芝は旭化成とリチウムイオン二次電池の開発・製造・販売を行う「エイ・ティーバッテリー」を共同出資で設立。後に全額出資子会社としたが、潜在価値を見抜けず、04年に会社を解散した。「燃料電池の開発に力を入れるため」というのが撤退の理由だった。電気自動車ブームの到来に慌てた東芝は、かつての技術をかき集め、リチウムイオン電池の一種である「SCiB」を製品化した。マイナス30℃での低温動作や、6千回以上の充放電の繰り返し利用が可能で、低コストというのを売り物にしている。しかし、電圧が低いという、電気自動車用としては致命的な欠点がある。04年の事業撤退の後遺症は否めない。すでに大手自動車メーカーは特定の電池メーカーと強固な関 ………
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