ギリシャ危機で吹いたユーロ安の“神風”だけではない。時短手当など雇用調整も弾力性を可能にした。
2010年11月号 BUSINESS
欧州連合(EU)が10月6日に発表した第2四半期(4~6月)のユーロ圏域内総生産(GDP)の伸び率改定値は前期比プラス1.0%と4年ぶりの高水準を記録した。牽引役のドイツが前期比2.2%、年率9%と、1990年の東西ドイツ統一後でもっとも高い成長を遂げたからだ。2008~09年に世界経済を直撃した「サブプライム危機」は表向き、米国の住宅市場の債務不履行急増に端を発したものだが、実際は多くの欧州諸国もそれ以上の不動産バブルに見舞われていたことが明らかになった。ドイツの場合は、80年代半ばから移民受け入れやドイツ統一後の建設ラッシュで、不動産市場は供給過剰に陥ったものの、95年までに落ち着き、08年時点では不動産価格に不相応な高騰の気配はなかった。しかし、EUの端に位置するアイルランドやスペインなどでは、過剰な建設ラッシュと、12年間で地価が4倍近くになる不動産バブルが発生してい ………
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