重慶の反日デモの前夜、ツイッターでつぶやいた女性が当局に連行された。「反体制」への転化に戦々恐々。
2010年12月号 GLOBAL [核心的利益の矛盾]
10月26日火曜日、中国内陸部の重慶市で大学生を中心とする反日デモが発生した。約1千人の若者が「抵制日貨」(日本製品をボイコットせよ)などと気勢を上げながら、市の中心部を通って日本総領事館の前まで行進。その様子は、内陸部を中心に各地で起きた反日デモのひとつとして日本でも報じられた。だが、重慶のデモには奇妙な点があった。他の都市のデモはすべて週末に起きたのに、重慶はなぜか火曜日だったのだ。その背景には、中国の政治と社会が抱える数々の矛盾の縮図とも言える経緯があった。重慶の大学生たちが、インターネットを通じて週末の反日デモを呼びかけたのは10月20日前後。ところが22日金曜日の午後から、市内の各大学の出入り口に突然ものものしい警備体制が敷かれた。中国の大学では、学生のほとんどがキャンパス内の寮で暮らしている。週末の間、学生たちは教師の許可なしにキャン ………
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