高層マンション炎上も政治の腐敗が下地。市民が自発的な無言の集団抗議に出て、共産党の悪夢が現実になった。
2011年1月号 GLOBAL
上海万博の閉幕から半月後の11月15日、上海市中心部の静安区で28階建ての高層マンションが全焼し、58人(一説によれば73人)が死亡した。市民を震撼させたこの大惨事に、上海市当局がとった対応は、例によって事件の情報を封鎖し、真相を人々の目から隠そうとするものだった。ところが、事態は予期せぬ方向に展開した。火災から5日目の20日午後12時34分、上海在住の「夏商」というハンドルネームの小説家が、自身のミニブログに「犠牲者に哀悼の意を表するため、七日忌にみんなで現場に献花に行こう」と書き込んだ。この呼びかけがインターネット、携帯メール、口コミなどを通じて瞬く間に市民に広がり、大きなうねりを起こしたのだ。中国では亡くなった日から数えて3日目、5日目、7日目など奇数日に弔いの行事を行う。火災から7日目の21日は日曜日でもあった。メディアの事前報道が一切なかったにもか ………
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