2011年2月号 連載 [政々堂々 第26回]
菅直人首相が小沢一郎元民主党代表に議員辞職を迫った。「強制起訴された場合には、政治家として出処進退を明らかにし、裁判に専念すべきだ」(1月4日の年頭会見)。いよいよ勝負に出た形である。菅の背中越しには、濃いエンジ色の厚いカーテンがある。あの小泉純一郎元首相が郵政解散を表明したときと同じ「勝負の舞台」だ。だが、菅に小泉のような鬼気迫るオーラはない。多くの人々は「また政治とカネの話か」とうんざりしただけだった。菅と小沢の対決が「政策なき権力闘争」にすぎないと見切っているのだ。自分が目指す政治の高い志を語るべき舞台で、まるで冷えた残飯のような小沢問題を政権浮揚の材料にせざるをえない。そこに政権の行き詰まりが象徴的に示されていた。そんな政権を戴いて、この国はどこへ向かうのだろうか。*2010年は政治も経済も外交も、惰性で続いてきた日本の枠組みが音を立 ………
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