電通「SEC内偵」と社長交代

またもインサイダー疑惑。5年前に続き、2年前のTOBで調査再開。本格化の矢先に「尻尾切り」か。

2011年3月号 BUSINESS

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調査報道は、荒涼たる無人の原野に身を伏せて、ひたすら遠視スコープをのぞくスナイパー(狙撃兵)に似ている。はるか遠方の塹壕に目を凝らし、銃眼の奥の人影に赤外線をあわせ、息を殺してそっと引き金を引く。影が消えた。仕留めたか? そんなもどかしい瞬間がある。2月10日、新聞各紙は広告業界最大手、電通の社長交代を一斉に報じた。高嶋達佳社長が4月1日付で代表権のない会長に退き、石井直専務執行役員が昇格する、と。同日、報道どおり取締役会で交代人事を決めたと発表したから、各紙に配慮した電通サイドの事前リークだろう。

またもやCCIが舞台

交代の理由も、大株主の共同通信に足並みをそろえ、10年3月期まで減収だったが「海外事業の強化などに一定の道筋をつけたほか、業績も改善傾向にあることから経営陣の若返りを図る」と書いてある。ソニーなどの担当で営業局長などを歴任した石井次期社長は、初の ………

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