鳥インフル「人に安全」は根拠なし

医学博士で元小樽市保健所長の外岡立人氏が、「鳥インフルの人への危険性」を軽視した政府見解を一刀両断。

2011年3月号 LIFE [特別寄稿]

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人類はいつか、致死率の高い新型インフルエンザで多くの命を失う危険性がある。インフルエンザとは、それほど怖い存在である。筆者がウェブサイト「鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集」を立ち上げてから6年が経つ。この間、約2万件の各国保健省の発表情報や主要な報道機関、医学雑誌の論文を抄訳し、紹介してきた。海外情報を収集、集約し、解析する日々の作業には、膨大なエネルギーを要するが、多くの人々が情報を求めてアクセスしてくる限り、中断は許されない。3年前には窮屈なお役所勤めを辞した。ボランティア的な仕事ではあるが、日本で伝えられないパンデミックインフルエンザに関する重要情報を発信することは、世のため人のためだと信じている。

「鳥」「人」同時流行の脅威

現在、先進国に例をみない養鶏場での大規模H5N1鳥インフルエンザ(以下、鳥インフル)発生が国内で続いている。人に感染し、発病すると80 ………

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