2011年3月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第59回]
少しばかり昔のこと。与謝野馨は自民党総裁選に出馬し、麻生太郎や小池百合子ら他の立候補者とともに、私のテレビ番組(テレビ東京系列「週刊ニュース新書」)に出演した。そのときに、候補者に座右の銘を書いてもらったことがある。与謝野は、そんなものはないんだけれど、と政治家らしからぬぐずり方をしていたが、やがて「友を選ばば書を読みて、六分の侠気四分の熱」と書いた。説明の必要もないだろうが、祖父与謝野鉄幹の「妻をめとらば」の一節である。世間をあっと驚かせ、批判の嵐がやまない与謝野の入閣騒ぎは、俗人の大臣病などではなくこの「六分の侠気四分の熱」によるものだろうと信じている、というか信じたい。*40年もの政治ジャーナリスト生活でおびただしい数の政治家とつき合ってきたし、観察してきた。その中で、志の高さにうたれた政治家を何人かあげよ、といわれたら与謝野馨は間 ………
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