2011年3月号 連載 [政々堂々 第27回]
菅直人政権の迷走が際立ってきた。政策展開も政権運営も出口が見えず「3月危機」は、いよいよ現実になろうとしている。目玉政策である「税と社会保障の一体改革」は、政府・与党による集中検討会議を舞台に議論を進めている。与謝野馨・経済財政相が集めたメンバーは、柳澤伯夫・元自民党税制調査会長や吉川洋・東京大学大学院教授など多くが自民党政権下でおなじみの顔ぶれである。与謝野・柳澤コンビで議論をリードしようという意図は明白だ。菅には与謝野をブリッジ役にして、まず柳澤を口説き、柳澤を突破口に自民党の協力をとりつけられれば、という狙いがあったに違いない。だが、2月5日に開かれた初会合で早くもほころびが表面化する。6月にまとめる最終報告について、柳澤が「ベストの案を提案するべきだ」と唱えると、玄葉光一郎・国家戦略相は「複数案を提示すべきだ」と主張し、単独案か複数 ………
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