「命のビザ」杉原千畝のもうひとつの賭け
2011年3月号 LIFE [インタビュー]
――第二次大戦勃発でバルト海のリトアニアに逃れたユダヤ系難民数千人に「命のビザ」を発給して救った日本の外交官、杉原千畝(ちうね)には、ヒューマニストとは別の顔がありました。インテリジェンスの凄腕オフィサーだったのですね。白石 ええ、杉原のそうした一面は手嶋龍一氏のミステリー『スギハラ・ダラー』でも光をあてていますが、外交史料館で公開されている4万8千冊の外交史料を渉猟して、その後付けを試みたのが、このほど出版した新潮選書『諜報の天才 杉原千畝』(税別1100円)です。彼が1937年に書いた報告書「杉原通訳官ノ白系露人接触事情」が見つかり、若き日の彼が満州でどんな工作に従事していたか、初めてかいま見ることができるようになりました。――杉原にはハルビン駐在時代に白系ロシア人の妻がいたのですね。白石 ええ、32年に満洲国外交部に移り、そこでソ連との北満鉄道譲 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。