胡錦涛訪米の直前、対ドルレートが史上最高値へ。「ごり押し」控えたい米国と「インフレ懸念」の中国の事情。
2011年3月号 BUSINESS
1月21日、中国の胡錦涛(フーチンタオ)国家主席は米国への4日間の公式訪問を終えて帰国した。米政府が中国の最高指導者を国賓待遇で招いたのは13年ぶり。19日の首脳会談後の共同記者会見で、バラク・オバマ大統領は「中国の台頭を歓迎する」と語り、昨年から緊張が続いている米中関係の改善をアピールした。だが、実際の会談では、両首脳は自国の主張を一歩も譲らず、話し合いは平行線に終始した。今回発表された米中共同声明に、中国は「相互の核心的利益の尊重」という文言を盛り込むよう求めたが、米国はこれを拒否したのがその象徴だ。「核心的利益」はもともと台湾やチベットを指して使われていたが、中国が昨年そこに南シナ海を加える野心を見せたため、米国は強く警戒していたのである。一方、米国が求めた人権問題の改善や南北朝鮮の緊張緩和などへの協力に、中国はなんら前向きな姿勢を示さな ………
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