2011年4月号 BUSINESS
3月10日付の日本経済新聞が「東京証券取引所と大阪証券取引所が経営統合に向けて協議に入る」と報じた。NYSEユーロネクストとドイツ取引所が合併交渉を進めるように、証取を介さない証券会社の私設電子取引システムに食われて、世界の証取は合併で懸命に生き残りを図っている。「ガラパゴス化」証券市場の日本も「2周遅れ」で重い腰を上げたとの印象が一般的だろう。だが、報じられなかった裏面がある。歴代の東証理事長(現社長)といえば、かつては森永貞一郎、谷村裕、竹内道雄、長岡実、山口光秀、土田正顕といった大蔵省(現財務省)事務次官または国税庁長官の指定席だった。民間人に奪われたそのポストを取り戻そうというのが財務省の悲願で、合併話の背後に影がちらつく。無理もない。ねじれ国会下の2008年、野党民主党の反対で日銀副総裁から総裁に昇格できなかった元事務次官の武藤敏郎(現大 ………
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