2011年4月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
光学機器大手のHOYAに対し、創業家の山中裕氏が経営の世襲禁止を求める異例の株主提案に踏み切った。鈴木洋代表執行役最高経営責任者(CEO)の経営を「新規事業の創出実績に乏しい」と批判。過去3代に遡り、トップの親族が後継に就くことを制限するよう要求した。山中氏は鈴木CEOの従兄弟に当たり、骨肉の争いが再び株主総会で展開される。もともとHOYAは山中正一氏と、裕氏の祖父に当たる茂氏の兄弟が創業。そこに、鈴木CEOの父親である哲夫氏(娘婿)が経営陣に参画。これまで経営の混乱期を除き、山中家と鈴木家からトップを輩出してきた。ところが、今も哲夫氏が名誉会長として居座り続け、女婿の鈴木家が経営の実権を掌握する。裕氏は昨年の総会でも株主として、鈴木派の社外取締役の解任や役員報酬の個別開示などを求めたが、全議案が否決された。もっとも、本人は東大を経て米コロンビア大院卒の ………
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