2011年4月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
NECが11年3月期の最終赤字を回避するため、保有株の売却で利益を捻出する益出しを加速させている。電機大手では日立製作所が過去最高益を更新するなど収益改善が鮮明になる中、NECの「独り負け」が際立つだけに、「掟破りのルネサスエレクトロニクス株の売却」(関係者)に踏み切るなど、背に腹は代えられないようだ。先にNECは企業のIT投資抑制が響き、最終利益を従来予想の150億円からゼロに下方修正を余儀なくされた。この中にはルネサスとアンリツの株式売却で200億円を上回る特別利益を織り込んでおり、益出しがなければ赤字に陥ることになる。問題なのは、ルネサス株の売却。10年4月にNECエレクトロニクスとルネサステクノロジが統合した合併会社で、設立時に筆頭株主のNEC、日立製作所、三菱電機の3社は「当面は持ち株比率を維持し、大株主として再建を支援する」(関係者)ことで合意していた。 ………
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