2011年5月号 DEEP [ディープ・インサイド]
東日本大震災が、愛知県の日系ブラジル人社会を直撃している。トヨタ自動車を中心とする地域の製造業は、リーマン・ショック後に大幅な減産と人員削減を実施。真っ先に「派遣切り」の対象になったのが日系ブラジル人労働者だった。本国の経済が活況を呈していることもあり、これで日本に見切りをつけて帰国する向きが急増した。今回の震災でトヨタは全工場を停止させた。徐々に再開させてはいるが、当面は5割程度の操業がやっとだ。そのため、下請けでは再度の派遣切りが始まっている。「いまや東海地方の日系ブラジル人は若手でも3割が失業中。45歳以上では6割近くが失職しているのでは」と支援団体幹部は憂慮する。リーマン・ショック直後には、名古屋でも日系ブラジル人によって派遣切りに抗議するデモが組織された。だが、今回はそうした動きは皆無。リーダー格の優秀な人材がすでに帰国してしまっ ………
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