2011年6月号 連載 [監査役 最後の一線 第2回]
上場企業の決算とは何のために行うのか。東日本大震災が起きて、またしても「会計基準」のあり方が問い直されている。日本は長年にわたり、国際会計基準(IFRS)を導入すべきかどうか、議論を繰り返してきた。ようやく2010年3月期決算から、希望する企業が自主的にIFRSを使う「任意適用」が認められ、12年をメドに全上場企業に強制適用するかどうかの方針が決められる段取りになっている。強制適用となれば15年にも実施されることから、世の書店などではIFRS本が所狭しと並べられ、経営者や経理担当者が準備に追われている。今年に入って金融庁は、来年の方針決定に向けた準備作業に動き始めていた。そんな矢先、東日本大震災が起きたのである。¥¥¥案の定というべきか。IFRS反対派の間から、震災を理由にした導入延期論が噴出している。田中弘・神奈川大学教授は、週刊エコノミスト誌に「復興努力を最優 ………
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