2011年7月号 連載 [監査役 最後の一線 第3回]
5月25日、金融庁長官あてに1通の要望書が出された。A4判8枚にわたる文書の冒頭には、新日本製鉄、トヨタ自動車、日立製作所、東芝、三菱重工業、キヤノン、リコーなど日本を代表する21社と日本商工会議所が名を連ねている(表参照)。表題は「我が国のIFRS対応に関する要望」。金融庁が2012年をメドに、すべての上場企業に利用を義務付けるかどうか判断することになっている国際会計基準IFRSに関する要望書だ。要望書では東日本大震災の発生に触れたうえで、「今の日本経済、産業界には不急不要のコストを払う余裕は全くない」と記載。「莫大なコストと事務負担が発生するIFRSへの対応は真に高いプライオリティ」なのかと、IFRS導入に疑問を呈している。¥¥¥さしずめ、反IFRSの血判状なのだが、読み進んでいくと不思議なことに気づく。文頭には「下記に示す企業、団体の合意により」とわざわざ書いて ………
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