2011年7月号 BUSINESS
政府官庁が立ち並ぶ東京・霞が関は、やはり「弱肉強食の原野」なのか。ちょっとでも手負いの身となったら、いくら物陰に身を潜めても、血の匂いをかぎつけて肉食獣がうろつきだす。東京電力福島第一原発の炉心溶融事故以来、まさに満身創痍の経済産業省は、いつ食いちぎられるかと戦々恐々だ。鳩山、菅政権で首相官邸に食い込み、肩で風を切っていただけに、いまや虎視眈々の他省庁の前で首を縮める禊(みそぎ)の身となった。そして、ついにというべきか、経産省分割の4案が、与党民主党や首相官邸などで俎上に載り始めた。6月7日、政府は国際原子力機関(IAEA)に提出する報告書を公表、福島の事故原因や安全策を盛りこんだが、そこに原子力安全・保安院の分離が入ったのは、経産省が自ら反省の意を表したからだという。が、保安院は人身御供でしかなく、「甘い。肉どころか皮を切らせて本体を守る気 ………
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