米軍のアフガン撤退は当面控えめ。ビンラーディン殺害後も、14年以降まで支援継続の意思を示す。
2011年7月号 GLOBAL [中東動乱と米国]
今年が岐路の一年であることは、大震災と津波、その結果起きた原発災害と格闘する日本人にとっては言うまでもないことだろう。広義の中東全域でも、2011年は同じく岐路の一年となった。本稿執筆時点では、暗より明のほうが大きい――むろん、国によって状況が異なり、重要地域で流動的要素が残っている。私は6月初めまでの過去2カ月、とりわけ5月2日のアル・カイダ最高指導者、オサマ・ビンラーディン殺害以降のアフガニスタンとパキスタンに焦点をあてて論じよう。しかし、その前にこの反乱と革命の年におけるアラブ社会の趨勢に触れておきたい。まず、中東のエキサイティングな変化を「アラブの春」と呼ぶのはおかしい。実際、革命は冬季に始まった。北大西洋条約機構(NATO)軍主導でアラブ諸国が支援するリビア軍事介入も、春分前に最大のプラス効果をもたらしていたが、春を迎えると足踏み期に入った ………
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