日本も乗り遅れるな「北極圏」開発

氷の海が解け始めた。豊富な資源、新シーレーンの可能性に、大国は目の色を変えている。

2011年9月号 BUSINESS

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北極圏がにわかに脚光を浴びている。以前はイヌイットなどの先住民のほかは、氷に覆われた北極海に関心を抱くのは沿岸のロシア、デンマーク(自治領グリーンランド)、ノルウェー、カナダ、米国の5カ国に限られていた。ところが、海氷が解け始め、石油・天然ガスなど豊富な地下資源の開発のチャンス到来で状況は一変。大手石油企業や多国籍機関、北極海から遠く離れた国々まで、我も我もと利害当事者を主張する。北極圏の環境保護や安定した経済発展について多国間協議の場としてステータスがあるのは、1996年設立の「北極評議会」(AC)で、多くの国々が加盟したいと考えている。ACの加盟国は上記の沿岸5カ国(北極ファイブ)にフィンランド、スウェーデン、アイスランドを加えた8カ国で、権限拡大をめざしている六つの先住民組織も常任メンバーとなっている。

「常任オブザーバー」却下

北極圏に領土を持たない日本や韓国、中 ………

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