マードック帝国は四面楚歌

盗聴で火ダルマ。攻撃一筋だった80歳の老帝が頭を垂れた。追及した英ガーディアン記者が本誌に特別寄稿。

2011年9月号 BUSINESS [メディア王の誤算]

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日曜紙として英国最大の270万部を誇った大衆紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド(NoW)が7月10日号を最後に168年の歴史に幕を閉じた。NoWはオーストラリア生まれのメディア王、ルパート・マードック(80)が率いる米メディア大手「ニューズ・コーポレーション」の傘下にあり、同じニューズ傘下の日刊大衆紙サン(280万部)やライバルのデーリー・メール(200万部)としのぎを削ってきた。経済紙フィナンシャル・タイムズ(36万部)やガーディアン(26万部)などの高級紙の部数を大きく上回り、国内での影響力は大きかった。7月5日、そのNoWが02年に起きた少女誘拐殺人事件で少女の携帯電話の留守電を盗聴していたことが暴かれた。(新しいメッセージが入るよう記録が削除され、家族は少女が生きていると思い込んでいたため)世論は一斉に嫌悪感をあらわにした。それから1週間もたたないうちに、NoWは廃刊に ………

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