北京の地下からリビアの通信網にアクセス。西欧の商談を捕捉、政府機密網にも侵入する。
2011年10月号 DEEP
中国の諜報機関、国家安全部の北京にある本部建物の地下深く――数百台のコンピューターのディスプレーが仄白く瞬くサッカー場のような一画がある。宿泊施設まで完備したそこに8時間シフトで勤務するのは、優秀な男女工作員ばかりを集めた第10局(対外保防偵察局)の局員だ。最近の第10局の標的はリビアである。コンピューターの前で追跡していたのは、風前の灯となった冷酷無慈悲な独裁者ムアマル・カダフィではない。「ポスト・カダフィ」をにらんで早々に反政府派の国民評議会の拠点、ベンガジに入った西欧ビジネスマンたちをサイバー空間で追っているのだ。カダフィ没落によって産油国リビアの資源利権の既存契約が破棄されるため、彼らは新たな相手国をみつける商談の足場固めに動いている。新政権樹立で首都トリポリへ反政府派の拠点が移れば、彼らビジネスマンもトリポリに向かうだろう。中国はこ ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。