2011年10月号 連載 [監査役 最後の一線 第6回]
今年6月24日に開かれたクボタの株主総会でちょっとした異変が起きた。議案採決の時のことだ。ほとんどの議案が100万を超す賛成票を集めたにもかかわらず、1件だけが70万余りの賛成にとどまり、3割近い反対票が入ったのだ。その1件とは、「佐藤良二氏を監査役に選任する件」。他の取締役や監査役候補者への反対票はせいぜい1千~9千票だったのだが、佐藤氏への反対票は29万2366票に達した。こう聞くと、佐藤氏とはいかなる御仁かと思われるだろう。だが、決して怪しい人物ではない。佐藤氏は公認会計士で、企業の監査を長年担当し、監査法人トーマツの包括代表社員(CEO)にまで上りつめた人物。豪放磊落な人柄で法人内外の評判もいい。昨年11月にCEOを退任。クボタが監査役就任を発表した5月段階では、トーマツのシニアアドバイザーを務めていた。そんな佐藤氏になぜ反対票が集中したのか。実は海外の議 ………
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