「紙の1千万部死守」が至上命題。料金は日経、朝日の半分以下か。新聞購読者にのみ電子版ニュースを配信する構想。
2011年11月号 BUSINESS
日経、朝日両新聞に続き、いよいよ読売新聞が2012年3月から有料電子版(電子新聞)を創刊する方針を固めたとの観測が、新聞業界に波紋を広げている。毎日新聞も同時期のスタートを目指して検討を進めており、来春には主要全国紙の電子版が出そろう見通しだ。デジタルコンテンツへの課金は果たして新聞購読者減少に悩む新聞社を救う切り札となるのか。生き残りをかけた各社の競争は熾烈さを増しそうだ。日経は10年3月から、朝日は11年5月からそれぞれ電子版をスタートさせた。しかし、「紙の1千万部死守」を至上命題とする読売の渡邉恒雄会長は、両社の動きを横目で睨みながらも、なかなか首を縦に振らなかった。読売のデジタル戦略の大前提は「紙の価値を下げない」(読売幹部)ことだからだ。この大前提と電子版は両立するのか。行き着いたのが、読売新聞購読者にのみ電子版ニュースを提供するという結 ………
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