2011年11月号 連載 [監査役 最後の一線 第7回]
ひと昔前、MOF担(モフたん)と呼ばれる背広族が、霞が関を徘徊していた。MOF、つまり大蔵省回りの民間企業社員を指し、都市銀行などではエリートが抜擢される出世コースだった。実質的に政策決定権限を握っていた当時の官僚に日夜密着し、自社に有利な法改正などを働きかける。政策立案のサポートから夜の接待まで、至れり尽くせりの奉仕をするのが役回りだった。過剰接待が問題になった1990年代半ば以降、官僚たちが業界との接触を極度に嫌うようになったことから、MOF担が表立って活躍する場面は減っていった。その穴を埋めるようにジワジワと動き出したのがロビイストである。特定の企業なり業界から委託を受けて、役人や政治家に政策実現を働きかけるのが仕事だ。米国では一般的だが、日本ではまだまだ広がっていなかった。そのロビイストが今、活躍の場を急速に広げている。きっかけは民主党政権 ………
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