「壊疽」ギリシャを切り離せ

どうあがこうと破綻必至。マンデルの最適通貨圏理論を踏まえれば、トービン税より「離脱」こそ正攻法だ。

2011年11月号 BUSINESS [ユーロ圏の欠陥]

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南欧の小国ギリシャのデフォルト(債務不履行)危機が世界経済を揺るがしている。ギリシャの国内総生産(GDP)は2500億ユーロ(26兆円)しかなく、日本(約500兆円)の5%強、神奈川の県民所得(32兆円)より少ない。ユーロ圏のGDP総額9兆ユーロ(900兆円)の3%にも満たない国がなぜ? と怪訝に思う人は少なくない。2008年9月のリーマン・ショックでは、米国のリーマン・ブラザーズという民間金融機関1社の破綻に全世界が巻き込まれた。リーマンの負債総額は約65兆円。ギリシャ国債の発行残高は約30兆円だが、影響を受ける欧州各国の債務を考慮すれば、そのデフォルトはリーマン・ショック級か、それ以上の破壊力がある。リーマンはしょせん民間企業で、上には米連邦政府という国家組織があり、国が対応策を打てた。一方、ギリシャは国とはいえEU(欧州連合)に加盟、自国通貨(ドラクマ)を放棄して ………

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