内向きニッポンのTPP 言葉と裏腹「内向き野田」

2011年12月号 連載 [政々堂々 第36回]

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野田佳彦内閣が環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を表明した。ひとまずヤマを越えた形だが、参加の是非をめぐって激しく意見対立した今回の騒ぎは「内向き志向」を強める日本の現状を象徴している。広い世界に打って出ようとせず、ひたすらリスクを恐れ防御を固めて閉じこもる。そんな傾向が加速しているのはなぜなのか。欧州の金融・債務危機に示されるように、世界全体がリスクを抱え先行き不透明になっているという外的要因はある。とりわけ日本では景気低迷が長期化し、若者の安定思考が強まっている面もあるだろう。しかし、もっとも大きな理由は野田首相自身が内向きになっているからだ。野田は就任以来、記者のぶら下がり取材に応じず、重要な局面で情報を発信しない。視野に入れるのは、ひたすら霞が関とりわけ財務省と党内支持勢力の動向ばかり。そんな感じである。そういう政権の姿を ………

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