「井川意高」を食った魔窟案内人

遊び好き実業家を、酒と女と博打に溺れさせる麻布・六本木の「小判鮫」。実は裏社会の尖兵だ。

2011年12月号 DEEP

  • はてなブックマークに追加

「特捜部のリハビリ案件」といわれているのが、井川意高(もとたか)・前会長が総額106億8千万円を連結子会社から私的に借り入れ、賭博などに流用した大王製紙事件である。本格捜査はこれからだが、同社が設けた第三者委員会は「これだけの巨額借り入れを取締役会の事前決議を経ずに行った」という調査報告書をまとめ、特別背任容疑で東京地検特捜部への告訴を決めており、立件化するのは間違いない。「明日までに振り込むように」井川前会長は連結7社の役員にこう事務的に伝え、一部役員に対しては「口止め」をしていたという。特別背任の事実は立証されており、本人に罪の意識もあったから、立件は容易だ。大阪地検の証拠改竄事件以来、威信を失った地検特捜部が手がけるのに手頃な事件となった。

糸口は六本木高級クラブ

だが、検察捜査の手からこぼれ落ちそうなのが、107億円弱の使途である。大半が海外のカジノに使われ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。