2012年2月号 連載
「日本の小さな出版社が発行する雑誌が、世界にスクープを発信し続けている」──オリンパス事件を報じる米国の全国ネットのTVニュースは、創刊から6年経過したFACTAが世界の主要マスコミ・投資ファンドに注目される雑誌に成長した瞬間であった。ロンドン「エコノミスト」を目標に2人のジャーナリストが立ち上げた「ファクタ出版」の志に賛同し、創刊から購読、また関係者に推薦してきた者にとって、「吾が賛同」は間違っていなかったという自らの喜びの瞬間でもあった。
ジャーナリストはねちっこく、しつこく、ストイックであるべきというのが小生の考えである。2千名の記者を観察した結果、特ダネを連発する記者の特徴から、この考えに到った。FACTAの編集は、まさに「ジャーナリスト魂」そのものである。しかしまだ一歩を踏み出したに過ぎない。インテリジェンス機能を拡張し、世界の主要雑誌と提携し、購読者の「道しるべ」となる雑誌に成長されることを期待してやまない。
ルビコンコンサルタント取締役社長 河内幸男