帰化・永住を決めた89歳のジャパノロジストの「侠気」。「“日本的なもの”にもっと自信を持つべき!」とのメッセージ。
2012年2月号 LIFE
〈3・11〉の東日本大震災と原発事故を目の当たりにして、90歳を目前にした米コロンビア大学名誉教授のドナルド・キーンが決断した日本への帰化と永住という「侠気」が、心の拠り所を求める〈災後〉の日本人に温かな共感の輪を広げている。「ここに至って半熟の状態だった日本国籍取得への決断が私にとって必須の懸案となった。外国人が日本から逃げていくニュースにも落胆していた私は、今こそ、もっとも率直なかたちで日本の皆さんと一緒になる、その思いを表明しなければと思った」。キーンは「中央公論」(7月号)にこう記した。日本文学研究者として過ごした70年余りの歳月のなかで、この35年ほどは一年の半分を故郷ニューヨークで母校のコロンビア大学の教壇に立ち、残りの半分を東京・北区西ケ原の自宅で過ごすという生活を送ってきた。それが昨年1月、体調を崩して東京の病院で入院生活を送って ………
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