東京都が不明朗な入居一時金の業界慣行を禁じる新指針。ベネッセもワタミも真っ青。
2012年2月号 LIFE
「入居してわずか4カ月後に亡くなったのに、一時金の3割分、500万円もの大金が戻ってこない。何の費用なのか説明がなくおかしい」。こんな苦情が各地の消費者センターに寄せられている。国民生活センターの調査によれば、有料老人ホームに関する苦情はグラフのように年々増加しており、その8割は契約・解約を巡るものだ。中でも入居一時金の解約時の返金や精算に関わる事例が目立つという。そこへ昨年9月、東京都が画期的な方針を打ち出した。都の有料老人ホーム設置運営指導指針(ガイドライン)を改定し、その中で「入居一時金の初期償却は不適切」としたのだ。初期償却とは、入居時に支払う数十万円から数千万円の一時金のうち、入居した途端にその何割かが事業者の懐に入る制度である。行政が「不適切」と断定して現行の老人ホーム事業を否定したのは初めてのこと。同様の動きが全国に波及する可能 ………
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