ゼーリック総裁のスピーチに闖入者。成長維持には政治改革が不可欠だが、次期指導者もなすすべなしか。
2012年4月号 GLOBAL
世界銀行が2月27日に発表したレポート「中国2030」が、エコノミストの注目を集めている。同レポートは中国が30年までに世界最大の経済大国に成長し、「現代的かつ調和がとれ、創造的で高収入の社会」を実現できると予測すると同時に、過去30年間の急発展を支えた経済成長モデルが転機に直面していると指摘した。肥大化した国有企業セクターの縮小や政府の役割の再定義など「改革」の必要性を強調し、「先送りすれば経済危機に陥るリスクがある」と警鐘を鳴らしたのだ。実は、レポートの中身と同じくらい話題になったのが、ロバート・ゼーリック世銀総裁が出席して北京で開催された発表式典でのハプニングだった。北京時間の2月28日午前、ゼーリック総裁がスピーチを始めた直後に男が会場に闖入し、「このレポートは毒薬だ」「世銀は米国に帰れ」などと大声で叫びながらビラをばらまいた。言論やデモの自 ………
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