2012年5月号 BUSINESS
リーマン危機後もひたすら金融緩和を遅らせ、渋ってきた日銀の白川方明総裁の任期が余すところ1年を切り、「日本経済を壊したA級戦犯」にもレームダック化が目立ってきた。4月5日、中村清次、亀崎英敏審議委員の退任に伴い、新任審議委員にBNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストを充てる人事が自民、公明、みんなの党などの反対で否決された。福田康夫政権下で武藤敏郎副総裁が昇格できなかった「政治介入」と同じに見えるが、実は日銀の自業自得なのだ。河野氏は日銀の金融緩和慎重論にとことん従順で、増税も賛成派、財務省にも媚びを売る「御用エコノミスト」である。消費者物価上昇率で年1%程度を「物価の目途」とする事実上のインフレ目標(インタゲ)導入を余儀なくされた日銀では、白川総裁の「ポチ」を務めることが見え見え。露骨なお手盛り人事を永田町ははねつけた。頭にきた河野氏の ………
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