野田・白川の「ニギリ」緩和

永田町の緩和圧力に耐えかね、来年の総裁人事もちらついて、消費税増税の「前さばき役」を買って出た。

2012年6月号 BUSINESS [パンツを脱いだ日銀]

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金融緩和をあれほど渋っていた日銀がここにきて変わったのか。白川方明総裁の言い回しを聞いていると、相変わらず「出遅れの小出し」のように見えるが、実際には瀬踏みをしつつ、それまではできないと言っていた一線を越えつつある。2月14日、日銀は消費者物価で1%上昇を目途(ゴール)とする「物価目標」を示した。それまで白川総裁は物価目標の採用に否定的だったのに、ベン・バーナンキ議長の米連邦準備理事会(FRB)が1月25日の連邦公開市場委員会(FOMC)で「物価目標」を打ち出したため豹変した。FOMCの決定の直後、白川総裁は「FRBが示したのは物価のゴールであり、物価水準の達成を金融政策に対し機械的に義務づけるインフレーション・ターゲティングではない」と釈明に努めた。実際にはFRBに外堀を埋められた形となり、「ゴール」を「目途」と言い換えて、日銀も物価目標を採用したのだ。4月2 ………

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