2012年6月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
日中韓3カ国によるFTA(自由貿易協定)構想が迷走気味だ。5月の日中韓首脳会談で交渉入りを宣言するはずが、直前で韓国が変心。日本抜きの中韓FTA交渉に走ったためだ。北京で行われた首脳会談では「年内交渉入り」を打ち出し、体裁を取り繕ったものの、3カ国の足並みは乱れたままだ。多額の対日貿易赤字を抱える韓国が日本と相互関税引き下げ交渉を進めても旨味はない。他方、中韓FTAで先行すれば中国市場で日本勢より優位に立てる。こうした状況下で年内に交渉を始めても、やる気のない韓国がブレーキをかけるのは目に見えている。日中韓FTAに期待していた農林水産省は焦っている。日本にとって自由貿易と農業は相容れない。国土が広大な米豪などにコスト競争力でかなうはずがないからだ。特に、「例外なき関税撤廃」を掲げるTPP(環太平洋経済連携協定)参加をめぐっては、全国農業協同組合中央会(JA ………
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