日銀は「金融政策にできることはもうない」と弁解。だが、生活保護者増加とインフレ率の逆相関は明らかだ。
2012年7月号 BUSINESS [筋違い不正受給批判]
日銀の白川方明総裁は5月30日、都内で開かれた日銀金融研究所主催のコンファレンスで挨拶に立ち、日本の人口減少がデフレに影響しているとの見解を示した。おお、とうとう総裁自らデフレ「人口原因説」を打ち出したのだ。「2000年代の10年間について先進24カ国の人口増加率とインフレ率を比較すると、両者の間に正の相関が観察されるようになっている」本誌の読者なら思い出すだろう。一昨年、日本政策投資銀行参事役で、現在は日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏が、同じ政府系とも言っていい日銀を応援するデフレ「人口原因説」を流行させ、白川総裁が便乗して日銀の政策ミスの隠れミノに使ったことを。本誌は11年3月号「『デフレの正体』信じる愚劣」でこの俗説を完膚なきまでに論破したが、性懲りもなくまた頭をもたげてきた。もっとも、今回は便乗どころか、総裁自ら唱えだしたから救いがない。 ………
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