ルネサス増資が財務危機の引き金。富士通がNECを呑み込む統合プランが再浮上。
2012年7月号 BUSINESS
「ルネサスが潰れていいなんて思ってはいませんよ。だけどカネを出すことは不可能だ」窮地に陥った半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの経営支援が叫ばれる中、NECの企画担当副社長、新野隆は一部メディアに臆面もなく語った。5月31日、ルネサス社長の赤尾泰はNEC、日立、三菱電機の主要株主3社を訪問。リストラ計画を説明したうえで、資金支援を申し出た。山形県鶴岡市にあるシステムLSIの主力工場を台湾の半導体大手TSMCに売却、従業員の約3割にあたる1万4千人を削減する。さらに経営の足を引っ張るシステムLSI事業は、富士通やパナソニックと共同出資会社を設立して移管し、世界シェア3割を誇るマイコン事業に特化する。しかし工場閉鎖や人員削減に必要なカネがない。そこで、1千億円ほど出してくれないかと言ったが、それをけんもほろろに断ったのが、冒頭に引用したNEC副社長の言葉だ。残る2社 ………
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