欧州「二重苦」債務と銀行不正

夏休み明けに、ドイツ憲法裁とオランダ総選挙の高いハードル。LIBORやマネロンなど銀行不信も高まる。

2012年9月号 BUSINESS [ユーロに夏の嵐]

  • はてなブックマークに追加

海外M&A(企業合併・買収)を持てはやされたのに大赤字に直面し、株価が50円台で低迷している日本企業がある。日本板硝子だ。8月2日に発表した2012年度の決算修正。それまで170億円の赤字と見込んでいた連結最終損益を、280億円の赤字へと110億円も下方修正したのだ。板硝子は増資インサイダー事件で話題になったが、今や本業の屋台骨が揺らいでいる。11年度の連結最終赤字が17億円だったから、経営環境の急激な悪化に青息吐息だろう。大幅赤字の原因は、06年に英国のガラス大手ピルキントンを買収し、強化した欧州での事業が猛烈な逆風にさらされたことだ。建設用ガラスが建設、住宅バブルの崩壊で販売数量、単価ともに落ち込み、自動車用ガラスも不振に陥っている。板硝子の後を追うように、旭硝子も3日に12年度決算を下方修正した。こちらは黒字予想だが、1350億円と見込んでいた連結経常利益を950 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。